横尾忠則さんが観たミロ展 先ず画面いっぱいに何色だっていい、好きな色でも嫌いな色でもいい、とにかく隅々まで塗りつぶす。次にどこだっていい「点」を置く。適当に、いくつ置いてもいい。次に線でも描こうかと、線を引く。考えないで手の動くままに。そろそろ色を塗りつぶすか。形など考えない。この時点ではただの落描きだ。そんな行為を続けている内に、ふと理性的になる。そうだ!今自分は絵を描こうとしているのだ。そのことに気づいた瞬間、点、線、面が目的のない目的を持ち始める。結果を考えない目的を。この非目的的目的行為に気づいた時、ミロは自らが遊んでいることに気づく、この気づきが快楽である。 絵とは快楽の実践である。こうして、ミロの芸術が生まれ始めるのである。私達はこのようなミロの行為を通して、自分達が遊んでいることに気づき始めるのである。そして自分の中のインファンティリズム(幼児性)と出合って、急に自由になった自分に驚くのである。
横尾忠則(現代美術家) 撮影 / 田島一成
佐々木彩夏さんが観たミロ展 私は絵を見て、作者がどんな気持ちで描いたのか、どんな時代だったのか、どんな環境だったのかなどを考えるのが大好きです。 ミロの作品には、当時のミロの感情がたくさん表れていてとっても妄想が広がり楽しかったです。 ミロの作品の幅の広さに本当にびっくりして、1つの展覧会とは思えない充実感がありました。 メッセージ性が強いものから、おしゃれなものまでいろいろな作品があるのでみなさんもお気に入りの1枚が必ず見つかると思います!
佐々木彩夏|ももいろクローバーZのメンバー。愛称は「あーりん」。
「涙の微笑」を見たとき、体の底から湧き上がるエネルギーを感じ、何より「晩年こういうものを描ける体幹を私もつけたい」と思った。 正直展覧会を見るまで、ミロといえば線の細い星座の絵で有名な人、という印象だった。きっと繊細で美意識の高い人なのだろうと勝手に思い込んでいた。が、いい意味で裏切られた。展覧会を見て。 たしかに若いころや有名な作品は、繊細な線と美しい構図と色が特徴的な画家だ。しかし重要なのは晩年である。彼は年齢を重ねるにつれ、どんどんダイナミックさを増す。己のエネルギーを絵にぶつけることを恐れなくなる。無論、晩年そんなことが可能なのは若い頃鍛え上げた、芸術の筋肉や技術が備わっているからだ。 ――芸術家としてなにより重要な「描きたいことを描く」という姿勢。「涙の微笑」はそんなミロの覚悟が滲み出ているようで、大好きになった。私もこういうふうに、ものを書きたい。
三宅香帆|文芸評論家。著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『好きを言語化する技術』他。
結城昌子さんが観たミロ展 ミロの絵はどうしてこんなにも明るく溌剌とユーモラスで、パワーに溢れているのだろう。秘密を知りたくて、以前バルセロナ、モンロッチ、マジョルカ島というミロゆかりの地を訪ねたことがあります。 ミロが絵画に目覚めたというモンロッチで私が驚いたのは、ミロの愛した色を自然の中に見つけたことです。太陽の黄色、海と空の青、田園の緑、そして土の赤! ミロが「ここで描いた」という標識の前に立つと、本当にミロが描いた風景が目の前に残っていました。ミロは(極めてミロ風にだけれど)目の前の風景を意外にも忠実に描いていたのです。 とはいえミロの世界は、私が思っているほど明るい時代ではなく、いくつかの戦争の間をある意味逃げ回ったり閉じこもったりしながら制作されたという逸話もあります。晩年の地であるマジョルカ島では、荘厳なゴシック聖堂にパイプオルガンの音が響いていて、ああ、ミロはこの島にたどり着いて、ほっとしただろうなと思わせるような地中海の光と香りが漂っていました。ミロってどうして暗い時代の中で、これほど明るく人を元気づける絵を描けたんだろうと今もなお不思議な気持ちが続いています。 会場には「スペインを救え」を訴える付録が展示されていました。こんなにもおおらかで攻撃性のない救国のメッセージなんてあるでしょうか。ミロの様々な側面をたくさん見せていただいた今回の展覧会、本当に楽しかったです。
結城昌子|アートディレクター。朝日小学生新聞紙上に「遊んでアーティスト」を30年にわたって連載中。子どものための名画の絵本を多数執筆。
ミロ展×アトレ上野コラボメニュー① ジ・アーツ・フュージョンバイレカン ミロ展×アトレ上野コラボメニュー② バニュルス 上野の商業施設でオリジナルステッカー配布中 上野近隣の3商業施設(アトレ上野、上野マルイ、松坂屋上野店)でオリジナルステッカー(非売品)を配布中です。 ステッカーの裏面には本展に100 円引きで入場できる割引クーポン付き。
◉配布期間|5月17日(土)~なくなり次第終了 マルイhttps://www.0101.co.jp/058/news/detail.html?article_seq=134877&article_type=sto アトレhttps://www.atre.co.jp/ueno/news/5094/ 松坂屋https://www.matsuzakaya.co.jp/ueno/topics/20250517_miro2025.exhibit.html
配布方法の詳細は、各商業施設のサイトでご確認ください。 ミロ展ジュニアガイド配布中! 小学生以下のお子さま向けのジュニアガイドができました! ミロ展を鑑賞するヒントが満載です。 こちらからダウンロードしていただけます。
ミロ展ジュニアガイド PDFダウンロード FCバルセロナとミロ── カタルーニャの不屈の精神 1899年にバルセロナに設立されたFCバルセロナ。地元の人々から熱狂的な支持を受けるFCバルセロナは、1939年から75年までのフランシス・フランコ政権下でカタルーニャ民族主義の象徴とみなされ、様々な制限や抑圧を受けました。政権が終わりつつあった1974年、FCバルセロナはクラブが尊重する自由と不屈の精神を体現するカタルーニャ出身の画家として、ミロに創立75周年ポスターの制作を依頼します。今回このポスターが出品されることと、クラブが2024年に125周年を迎えたことを記念して、FCバルセロナはミロ展に特別協力として参画します。
Portrait of Joan Miró painting the Barça poster, 08 April 1974. Fons Francesc Català- Roca, Arxiu Nacional de Catalunya, ANC1-1453-N- B120954 ©Hereus Francesc Català-Roca/VEGAP 《バルサ FCバルセロナ75周年》 1974 リトグラフ 99 x 69cm ジュアン・ミロ財団、バルセロナ Fundació Joan Miró, Barcelona. 2025年2月19日の朝日新聞夕刊にて、FCバルセロナとミロの関わりを紹介する記事が掲載されました。記事の全文はこちら 。
スペイン代表としてのミロ スペイン大使館観光部(前スペイン政府観光局)が使用しているロゴは、1983年にミロが亡くなる直前に制作されました。このロゴはスペイン政府が新たに観光立国を目指すべくミロに依頼したもので、1982年に制作したサッカーのスペイン・ワールドカップのポスターの一部(ESPAÑAの部分)のモティーフなどを組み合わせて作られています。太陽輝くスペインの魅力を簡潔に伝えるミロの表現は、今でも政府が公式ロゴとして使用しています。スペイン大使館観光部は本展に協力しています。
しおり型の割引券配布中 しおり型の割引券を、アトレ上野の三省堂書店 ほか、都内を中心とした書店で無料配布しています。 デザインは1963年にミロが描いた《絵画(エミリ・フェルナンデス・ミロのために)》の一部。裏面に記載の割引クーポンコードを利用してチケットをお得にご購入いただけるほか、しおりとしてもお使いいただけます。※各書店での配布状況に関してのお問い合わせにはお答えできかねます。
ミロ展×品川プリンスホテル 中国料理との特別コラボメニューご提供 本展開催期間中、品川プリンスホテル内の中国料理 品川大飯店(メインタワー 4F)では、特別コラボメニューを提供します。 ミロの世界観を中国料理で表現することに挑戦し、ミロの鮮やかな色彩と遊び心あふれる形態を、中国料理の技法と食材で巧みに再現しました。お米料理では、ミロも食していたであろうスペインの定番料理であるパエリアに、中国料理の定番であるチャーハンを融合することでパエリアを再構築し、ミロの挑戦を表現しています。また、代表作に挙げられる<星座>シリーズに登場する星や月のモチーフを、海鮮や星型の野菜やクルトンを浮かべたスープで描写。さらにデザートは、ミロの夢見るような世界観を甘美な味わいで再現しています。
提供期間|2025年3月1日(土)~7月6日(日) 場所|中国料理 品川大飯店(メインタワー 4F) 料金|¥7,000(税込み・別途サービス料13%) サイトURL|https://www.princehotels.co.jp/shinagawa/plan/daihanten/miro_2025 ご予約・お問合せ|品川プリンスホテル レストラン総合予約TEL:03-5421-1114(受付時間:10:00A.M.〜6:00P.M.)
ミロ展とのコラボのために、【中国・スペイン・ミロ】の3つの要素を取り入れた、既存の概念を覆す中国料理をご提案いたしました。 ミロ作品のイメージに添う彩り豊かな料理をお楽しみください。
品川プリンスホテル 中国料理 品川大飯店 料理長 藤井信弘
[ミロ展]コラボレーションメニュー イメージ [前菜] ~色彩豊かな7種のタパス&ピンチョス~ 芸術への決意
ミロが様々な葛藤から芸術へと目覚めていく若き時代。 前菜は、そうした希望に満ちた味覚の余白を表現しています。
[スープ] ~星型の野菜やクルトンを浮かべて~ 空に浮かぶ星座に想いをはせて
ミロの代表作に挙げられる、1940年から41年に描かれた<星座>シリーズ。キノコ・蟹・野菜などを使い星座のイメージをスープで表現しています。
2025年3⽉3⽇旧店名「ブラッスリーレカン」から改め「The Arts Fusion by Lecrin」に店名を変更し、芸術の街上野を⾷事でも体感していただく「芸術」×「⾷」の融合型レストランとなりました。今回、店名変更後第⼀回⽬の企画としてミロ展とのコラボレーションメニューが実現。シェフがミロの作品から受けたインスピレーションをスペインの郷⼟料理や⾷材で、表現した4品のコース仕⽴て。カタルーニャ出⾝のミロをもとに、地中海をイメージし⿂介と、スペインでは多く⾷べられる豚⾁を融合させアヒージョ⾵に仕⽴てメインディッシュに。ハモンセラーノを使⽤したアミューズブーシュなど、作品をイメージと共に体感していただきます。
提供期間|2025年3月20日(木)~7月6日(日)
場所|ジ・アーツ・フュージョンバイレカン(アトレ上野EAST 1F )
料金|¥4,700(税込)
営業時間|11:00〜22:30(LO.20:00)
サイトURL| https://www.atre.co.jp/ueno/shop/1936/
ご予約・お問い合わせ|03-5826-5822